恐ろしい歯周病の体への影響

 
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歯周病が影響する2つの病気

歯周病が進行すると歯周病菌が血管の中に入り込み、体の様々な臓器に渡って悪さをすることがわかっています。そのため最近では歯周病が多くの全身疾患に影響する可能性があると様々な研究報告が出てきています。歯周病であることが病気の進行に影響を及ぼすことが確定している2つの疾患を挙げます。
 

糖尿病

糖尿病の人は歯周病になりやすいという事は以前から言われていることで、糖尿病の人はそうでない人と比較して、発症率が2.6倍高いという研究報告があります。また、糖尿病の場合、傷ができたときに治る力が弱いために歯周病も進行しやすくなります。歯周病で口腔内に炎症がある場合、炎症性サイトカインという物質が血液内に増え、糖尿病を悪化させるという研究報告があります。つまり、糖尿病は歯周病を進行させ、歯周病は糖尿病を悪化させてしまうという事が言われています。
 

早産・低体重児出産

 歯周病のコントロールがされていない妊婦は、早産と低体重児出産のリスクが3~4倍と言われています。歯周病菌が口の中の血管から入り込み、血管内で炎症性サイトカインが産生されて胎盤や子宮に流れ着き、細胞を刺激して早産を引き起こし、歯周病菌やその内毒素が胎盤の細胞に感染して胎児の成長発育を阻害すると言われています。妊娠中でも時期を気をつければ通常の歯周病治療は可能です。妊婦の方は必ず産前歯科検診で歯周病のチェックを受けましょう。

歯周病関連する様々な病気

 

歯周病がアルツハイマー認知症を悪化させる?

認知症は脳の神経細胞が徐々に壊れていき理解する力や判断する力がなくなって、社会生活や日常生活に支障が出る病気です。原因はまだ完全には解明されていません。最近、アルツハイマー型認知症の患者の脳から歯周病の主な原因菌であるPg菌が多く検出されたという研究発表がありました。Pg菌は歯周ポケットに生息し、歯肉の血管の内部に入り込み全身に流れ着いて様々な臓器に悪影響を及ぼしている可能性があります。また、歯周病で歯がぐらついたり、歯がなくなってしまうと噛む力がどんどん弱くなります。噛みごたえがあるものを噛めなくなり、脳への刺激が少なくなることは認知症を悪化させてしまいます。
 

歯周病菌がインフルエンザを悪化させる

ウィルスは細胞をもっていないので、他の細胞に入り込んで生きていきます。インフルエンザウィルスが口の中に入ってくると、口の中の細胞に入り込んで増殖していきます。その後他の細胞に広がっていき生息範囲を拡大していきます。細胞から他の細胞に移る際にウィルス表面の酵素(NA)を使って広がっていくのですが、このNAの働きを抑制するのがタミフルやリレンザなどの抗ウィルス薬です。歯周病菌はこのNAを作り出しインフルエンザウィルスの侵入を手助けします。また、歯周病菌から作り出されたNAは抗ウィルス薬では抑えることができない特異なものなので、インフルエンザが重症化してしまいます。
 

妊娠中に増える女性ホルモン好きな歯周病菌

妊娠中は歯肉が腫れやすく、ブラッシングの際に出血しやすくなります。妊娠性歯肉炎に罹患する割合は35~100%と言われていて、ほとんどの妊婦が歯肉炎にかかりやすいと考えていいと思います。妊娠中は悪阻や食生活の悪化で体調が悪くなりやすく、ブラッシング状態の不良でプラークが溜まりやすくなります。また、妊娠中に特に増えるPrevotella intermediaという歯周病菌が関わっています。Prevotella intermediaは発育するために女性ホルモンを利用すると考えられていて、女性ホルモンが増える妊娠中にPrevotella intermediaが増殖して歯肉炎を引き起こします。歯肉炎のうちにしっかり治療する必要があり、放置して悪化すると本格的な歯周病に移行していきます。
 

歯周病と心筋梗塞、脳梗塞

心筋梗塞や脳梗塞の主な原因は動脈硬化です。血管が硬くなって血液を送りにくくなる状態です。動脈硬化した血管内部にはプラークという異常な瘤のような組織ができるのですが、このプラークの中にも歯周病菌がよく検出されるという研究発表が多くあります。アメリカでの研究では重度の歯周病の患者はそうでない人に比べ、心筋梗塞になるリスクが2.48倍と報告しています。

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